2012-02-18

NTT R&D: ブロガー・ミーティング 発見探地図エリアダス

NTT R&D フォーラムの内々で開かれたブロガー・ミーティング「発見探地図エリアダス」のレビュー。このブロガー・ミーティングは NTT R&D フォーラムの展示「C-22 スマートフォン向け情報ナビゲーション」の内容を 1 時間のブロガー向け紹介イベントに直したもの。

発見探地図エリアダス

エリアダスは Android アプリ。地図情報系のアプリの一つ。ブロガー・ミーティングでは参加者に Android 実機が手渡され、実際にエリアダスを体験することができた。

エリアダスの主要機能は 3 つ:

  1. エリアタグの表示
  2. ブログ検索結果の表示
  3. キーワード分布の表示

アプリを起動すると地図が表示される。デフォールトで、地図上にキーワード (これをエリアタグ と呼ぶ) が最大 15 個表示される。エリアタグは、地図の表示範囲内でよく取り上げられるキーワードが選ばれる。

例えば地図で栃木県を表示してみると、「レモン牛乳」というエリアタグが表示される。どうやら当地の名産品 (?) らしい。その土地の「自分が知らない情報」を提示する機能がエリアタグ。

エリアタグをタップすると、そのエリアタグ (キーワード) に関連したブログ記事の一覧が表示される。そう、エリアタグの抽出にはブログが使われている。選択したエリアタグに関する情報が得られるというわけ。

3 つ目の機能はキーワードの分布を表示するもの。キーワード検索を行なうと、そのキーワードについて言及されている地域が色付けされて表示される。司会者は、一つのキーワード (何のキーワードだったか忘れた) を検索。地図に二か所が色濃く表示される例を見せてくれた。ある名産品について、その二つの地域が発祥地争いをしているそうな。

ぼくは家の近くで「蕎麦」を検索してみた。おそばが好きなので。すると、駅の周辺が異常に色濃くなっている。何やら駅の近くに蕎麦屋があるらしい。ブログ検索の結果を表示させてみると、「鷲ひら」という手打ち蕎麦屋があることが分かった。その日の晩御飯をこのお店で頂いたのは言うまでもない。

仕組み

特に変わったことはしていない。ネット上の文書をスキャンしてキーワードを集める。場所は、予め用意した地名辞書のようなものから解析する。「京橋」のように東京都にも大阪府にもある様な地名は、文書内の他の地名データと関連付けて場所を決定する。地名情報が少なければ、場所を間違うこともある。

良い点と悪い点

良い点

エリアタグは「勝手におススメ」みたいな機能。ユーザーがキーワード入力する必要がない。だから、自分の意図しないキーワードに出会える可能性がある。その可能性が面白い。

一方、キーワード分布はユーザーの意図を反映する機能。場所の特定は出来ないけれど、大雑把なエリアを地図で見ることができる。ぼくは今回、そば屋を見つけるのに活用できたけれども、さて毎回活用できる機能かどうかは分からない。

どちらの機能も、ユーザーが「意図しない」情報を提供することが多そう。意外性のアプリというのか。ユーザーの探したい物を探すアプリが多い中、逆を行く発想で面白い。こんなアプリ、一つは入れておいても良いかもしれない。

悪い点

アプリのアイデアは良い。ユーザー・インターフェースの練りが足りない。不満点をいくつか挙げてみる。

  • 場所を指定して飛ぶ機能がない
  • ダブル・タップで地図拡大できない
  • 他のアプリとの連携が出来ていない (Google カレンダーとかね)

全体的に「機能」ばかりが走っていて、使い勝手に不満を覚える。典型的な技術屋さんが作ったアプリ。今回のフォーラムを見て、NTT 研にも UI を得意にする人が居ると知った。改善は難しいことじゃないと思う。Android アプリは、大きな新機能を出すことより、小さな変更を回数重ねてより多くのフィードバックをもらうことが、アプリ改善の近道になるのでそこを間違えないで欲しい。

あとがき

ブロガー・ミーティングで出た意見を二つ。一つは Twitter 対応をして欲しいこと。もう一つは HTML5 化の検討もして欲しいこと。

特に HTML5 によるウェブ・アプリは Android/iOS/PC の垣根がなくなるので、是非実現して欲しい。iPhone でエリアダスが使えないのは寂しい。

No comments:

Post a Comment