2014-11-19

EPSON のスマートグラス MOVERIO ブロガー・ミーティングに参加した

2014-11-17 (月)、スマートグラスで広がる世界 エプソン「MOVERIO」ブロガーイベントに参加した。

  • 日時: 2014-11-17 (月) 19:30-21:30
  • 場所: 西新宿三井ビル 24階
  • 定員: 16 人
  • 参加料: 無料

今回で 27 回を数えるという EPSON のブロガー・イベント。その多くはプリンターに関するものだったという。スマートグラスのような「ガジェット」のイベントは数多くこなしていないとのこと。不慣れな面もあるかと思う、との言葉からイベントは始まった。

大まかな流れは 3 部構成。

  1. エプソン開発者による説明 & Engadget 編集長 鷹木氏の MOVERIO 紹介
  2. MOVERIO タッチ & トライ
  3. パネル・ディスカッション、質疑応答

スマートグラス MOVERIO BT-200

MOVERIO はスマートグラス。眼鏡タイプのウェアラブル・ガジェット (体に身につけるガジェット)。有名な所では Google の Google Glass や SONY の HMZ などがある。ぼくはスマートグラスに触れるのは初めて。説明を聴いて、スマートグラスにも色々なタイプがあることを知った。

こちらは商品の戦略性を紹介したスライド。

EPSON Moverio BT-200AV

エンターテイメント向けか情報端末向けか。携帯しやすいか、家庭向きか。SONY の HMZ はエンターテイメントを得意とし、家の中で使うのに向いている。一方、Google Glass は情報端末的側面を強く押し出し、携帯することを前提にしている。ぼくの印象を言えば、MOVERIO はわずかにエンターテイメント寄りで、携帯性は少し低いと感じた。

もう一枚。スマートグラスの見え方について。

単眼 vs 両眼

まずスマートグラスには単眼タイプと両眼タイプがある。Google Glass は単眼。MOVERIO は両眼。(SONY は知らないので明言は避ける)。開発者によると、両眼タイプの方が開発が難しいとのこと。ミリ単位 (ミクロン単位だったかな?) での調整が必要とのこと。

第二にスマートグラスにはフルクローズド型とそうでないものがある。SONY HMZ はフルクローズド型。MOVERIO はそうではない。前方に「画面」がシースルーで投影される。

フルクローズド・タイプは外の様子が分からないので装着したまま出歩けない。一方、MOVERIO はある程度、周りの様子も分かる。と言ってもシースルー画面を投影したまま運転したり歩いたりするのは危険とのこと。電車、バス、新幹線などで少し周りに気を配りつつも「映像」を鑑賞できるのが強み。タブレットでは覗き見されることがあるけれど、スマートグラスなら覗かれる心配は不要。

こういった半没頭型ながら屋外での利用を最初から想定しているのが MOVERIO の設計思想であり、商品価値という。

機能

MOVERIO が商品としてどういう立ち位置を目指しているのかは分かった。では機能はどうか。MOVERIO を機能の面から掘り下げると、4 つのキーワードが浮かび上がる。

  • Android 機: MOVERIO の OS は Android。バージョンは 4.0.4。Google のテスト (スマホもしくはタブレットとして機能が十分であることをテストしている) に通っていないため、Google 謹製のアプリは入っていない。スマホでもタブレットでもない Android 機を開発すると、こういう難題にぶつかるから困る。と愚痴は置いといて、Google 謹製アプリがないという話。Gmail も YouTube もない。でも一番困るのは、Play Store アプリが入らないこと。Play Store で手に入るアプリも全滅。仕方がないので、Epson 独自のアプリ・ストアを作っている。Play Store より量は劣るものの、全て MOVERIO 対応なアプリというのが救いか。YouTube はアプリがないので、ブラウザーから見ることになる。
  • Wi-Fi, Bluetooth 対応: IEEE 802.11 b/g/n 及び Bluetooth 3.0 に対応。Bluetooth マウスやキーボードからの入力ができる。Wi-Fi のアクセス・ポイントに接続する時、あの長ったらしいパスワードをキーボードから入力できるのはイイネ。ぼくは Bluetooth キーボードを持っていないので、自宅のルーターに繋げるのが、かなり大変だった。(Bluetooth キーボードがあれば) メモ系のアプリを使って、周囲から覗かれることなく原稿を書ける、とはパネル・ディスカッションで挙がった利用例の一つ。テザリング環境の揃ってきた今なら、Wi-Fi に繋げる敷居は低そう。
  • ミラーリング: MOVERIO は Miracast の送受信に対応している。Miracast は Android 版 AirPlay のようなもので、対応機種の画像・音声を相手側に送ることができる。例えば、Nexus 7 (2013) は Miracast 送信に対応しているので、Nexus 7 で見ている YouTube, ニコニコ動画, 写真, Kindle, Slides などを MOVERIO に表示することができる (詳しいことは別記事を書く)。
  • HDMI 接続: MOVERIO BT-200AV には HDMI の入出力を備えた子機がある。この子機自身が Miracast 送受信機になっていて MOVERIO と無線でデータ送受信ができる。PC の HDMI 出力、Blueray プレーヤーの HDMI 出力、レコーダーの HDMI 出力 etc. をこの子機に繋ぎ、子機の Miracast 送信を MOVERIO で受信して PC/BD/録画を MOVERIO で鑑賞ということも可能。

あとがき

イベントの進行は悪くなかったと思う。数点、不満を挙げれば、MOVERIO の紹介 CM はイベント会場ではなく事前にブロガーに見せることは出来なかったろうか? 短い動画といえども、イベント時間は有限。予め動画を見せてくれる工夫があったら、その時間を説明やタッチ & トライにより多く回せる。

Miracast 対応機能を持っていたら、是非、持ってきて欲しい、と事前に通達があった。ぼくは Nexus 7 (2013) を持っていった。タッチ & トライの時間は限られていて、初めて使う MOVERIO のコントローラーの使い勝手にとまどった。結局、タッチ & トライで渡された MOVERIO ではなく EPSON 側が用意した Galaxy と MOVERIO で Miracast ミラーリングを試した。

ぼくのように Miracast 端末を全員が持っているわけでもないと思うから、Galaxy を用意していたのは良かった。また、ぼくが Nexus 7 を使って Miracast を試そうとしても、設定に手間を取り限られた時間で Miracast を楽しめたかどうかは怪しい。もしかしたら、Miracast に辿り着く前に時間切れになっていたかもしれない。そういう意味では、準備は良かったと思う。

ただ、タッチ & トライの時間を多く確保して、Nexus 7 から Miracast を楽しめたらもっと良かった。せっかく持っていったのだから。というわけで、帰宅後、Miracast できるようになるまで寝れなかった。もしかしたら、イベント主催者の思惑にハマったのかもしれない。

そんなわけで、次回は Nexus 7 (2013) で再生する YouTube を MOVERIO で見る手順を記事にしたい。

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